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書籍紹介
アメリカ文学・アメリカ文化
ディズマル・スワンプのアメリカン・ルネサンス
ポーとダークキャノン
著者 | 伊藤 詔子 |
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定価: ISBN
判型・頁数 | A5判上製・304頁 |
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定価 | 本体3,200円+税 |
ISBN | 978-4-7553-0296-1 |
出版年月 | 2017年3月 |
目次
はじめに
序章 ポーのボストン帰郷と遺髪秘話の行方
1 作家生誕200年祭
2 ポーの復活
3 ポーのインディアン化と批評的先見性
4 日本ポー学会の作家生誕200年祭
Photo Library 1= 生誕200年記念切手、プロヴィデンス・フィラデルフィアとポー
第 I 部 ポーの墓場詩と花嫁の逆襲
第 1 章 「丘の上の都市(City on the Hill)」から「海中の都市(The City in the Sea)」へ
1 水と死の夢想
2 宇宙的ナルシズム「湖に」 (“The Lake”)
3 「眠れる人」(“The Sleeper”) の朧な霧
4 超現実のトポス「夢の国」 (“Dream-Land”)
5 メランコリーの海と「海中の都市」 (“The City in the Sea”)
第 2 章 花嫁の幽閉と逆襲─エリザベス、モレラ、ライジィーア
1 美女再生譚から幽霊譚へ
2 新たな視点─ライジィーアとモレラの第二の物語(セカンドストーリィー)
3 ゴシック・マザーへの禁じられた愛
4 母性的風景への一体化願望
5 不可思議な目の深淵に表象されたエロス的願望
6 ライジィーア蘇りのオカルトの部屋
Photo Library 2
第Ⅱ部 ゴシックネイチャー、キメラ、第二の自然
第 3 章 ポーの不思議ないきものたち
1 ゴシック・ネイチャーとしての黒猫と大鴉
2 社会的に構築される自然
3 ポーのキメラ列伝
第 4 章 自然表象の葛藤の海─『アーサー・ゴードン・ピム』
1 資源、商品、食糧としてのいきもの
2 儀式的記号としてのキメラ
3 転覆的記号としての雑種の身体─ダーク・ピーターズ
第 5 章 「アルンハイムの領地」と「人生の航路」─ポーとトマス・コール
1 新たなサブライムの意匠
2 〈アメリカンサブライム〉の多様化について
3 〈アメリカンサブライム〉解体
4 アッシャーの環境の感覚とエコ・キャタストロフィー
5 天使となって地球を脱出するアッシャーとマデライン
6 第二の自然の創造
Photo Library 3= ナンタケットとブラウン大学
第Ⅲ部 ディズマル・スワンプのアメリカン・ルネサンス─ナット・ターナー、ドレッド、ホップ・フロッグ
第 6 章 『アメリカン・ルネサンス再考』から『ブラック・ウォールデン』まで
1 1850年を巡る作家たちの動き
2 マシーセンとポー
3 黒人作家と白人作家の間テクスト性
第 7 章 ウィルダネスの聖地、沼地のポリティックス
1 ソローと沼地
2「ナット・ターナーの告白」とディズマル・スワンプ
第 8 章 ストウとポーの沼地
1 ストウの沼地の人(swamp-dwelling-people)、ドレッド
2 ノーフォークから終焉の地、ボルティモアへ
3 ターナーのエコーと「ホップ・フロッグ、または鎖でつながれた八匹のオランウータン」
Photo Library 4= ヴァージニア大学とリッチモンド
第Ⅳ部 ポーとダーク・キャノン
第 9 章 ダゲレオタイプ、ポー、ホーソーン─真実の露出(レベレーション)と魔術的霊気(アウラ)のはざまで
1 新しい視覚テクノロジーと文学ジャンルの開発
2 ダゲレオタイプの出現とポーの「文学の新しい国(new literary nation)」
3 ホーソーンのロマンス論とダゲレオタイプ
4 〈光の描く絵〉としてのダゲレオタイプ
5 ダゲレオ装置が設置される〈死体置き場(モルグ)〉
6 魔術としてのダゲレオタイプ
第 10 章 ポー、フォークナー、ゴシックの窓
1 人種のトラウマとゴシック・アメリカ
2 ゴシック・パラダイムの変容
3 カラーラインを横断するピム
4 プルートーの回帰
5 タイドウオーター・プランテーション
6 語り手の物語空間への入場と沼地
7 身体に空いた窓としての目
第Ⅴ部 ポーとポストモダンの世界─ルネ・マグリット、ジョイス・キャロル・オーツ、ポストヒューマン
第 11 章 ポーを描く画家とオーツの語るポーの死後の運命
1 ルネ・マグリットの「アルンハイムの領地」
2 ポストモダン・ゴシック批評家としてのオーツ
3 初期〈エデン短編群〉の凍てつく自然の造詣
4 ポーの死後の物語『狂おしい(嵐の)夜』
5 物語る妻の勝利─「黒猫」の「白猫」への変容
第 12 章 ポーとポストヒューマン・エコクリティシズム
1 ポー文学に追いついた21世紀エコクリティシズム
2 エコクリティシズムによるポー論の到来とポストヒューマン
3 〈ロマンティック・サイボーグ〉としてのスミス准将
4 アイデンティティの謎と不安
5 ポストヒューマン─生と死の不気味な境界線上の言説
終章 作家のトランク
1 賢治のトランク
2 ファンショーのトランク
3 ポーのトランク
4 トランクの中から見つかったポーの遺稿
Photo Library 5 マリア・クレムとニューヨーク・フォアダムのポーコテッジ