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イギリス文学・イギリス文化
エリザベス・ボウエンを読む
著者 | エリザベス・ボウエン研究会 編 |
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判型・頁数 | A5判上製・424頁 |
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定価 | 本体4,200円+税 |
ISBN | 978-4-7553-0293-0 |
出版年月 | 2016年8月 |
序章 エリザベス・ボウエンの二十世紀
二つの祖国を超えて─戦争とフィクションのコンポジション─
太田 良子
第1部:長編小説
第1章 『ホテル』
生者と死者が集う場所での人間模様─背景にひそむ第一次大戦による喪失感─
甘濃 夏実
第2章 『最後の九月』
光と影の効果から読み解くヒロインの心理─反転する始まりと終わりの意義について─
杉本 久美子
第3章 『友達と親戚』
有産階級の家族関係を凝視─「自己満足」へのアイロニー─
木村 正俊
第4章 『北へ』
近代という「不穏な世紀」─戦間期に生きる女性と忍び寄る脅威─
小室 龍之介
第5章 『パリの家』
異質な他者との連携の可能性─引き継がれるレ・ファニュ『アンクル・サイラス』の新しさ─
松井 かや
第6章 『心の死』
日記を書く危険な少女─二つのテクストの抗争─
伊藤 節
第7章 『日ざかり』
裏切り者たちの第二次世界大戦─スパイ、ファシズム、アイルランドをめぐって─
小室 龍之介
第8章 『愛の世界』
ビッグ・ハウスへのオマージュ─未完の生をめぐる寓話─
北 文美子
第9章 『リトル・ガールズ』
少女時代を追い求めるオールド・ガールズ─未知の言葉で語るノスタルジア─
渡部 佐代子
第10章 『エヴァ・トラウト』
「ここで私たちはハネムーンを過ごすはずだったのよ」─虚構と現実との境界が揺らぐとき─
鷲見 八重子
第2部:ノンフィクションおよび短編
第11章 『ボウエンズ・コート』
アングロ・アイリッシュ一族の年代記─失われた館への慈しみを込めて─
木梨 由利
第12章 『ローマのひととき』
謎にみちた旅行記─喪失と再生のあいだ─
高橋 哲雄
第13章 「相続ならず」
廃墟という相続遺産─プロット、人物、そして場所─
太田 良子
第14章 「夏の夜」
夕映えの世界に交錯する諦念と充足─二つのアイルランドに向けられたまなざし─
米山 優子
第15章 「父がうたった歌」
戦争ゴシックと融和するリアリズム─悪魔の化身となった元帰還兵の物語─立野 晴子
第3部:ボウエンに関わる他のテーマ
第16章 ウルフとボウエン
ウルフとボウエンのちょっと冷たく、優しい関係─その人生と文学における交流について─
奥山 礼子
第17章 ボウエンの学校小説
大人の世界の入り口に立つ少女たち─少女の声のリアリティ─
田中 慶子
第18章 ボウエンと絵画
扉絵を手掛かりに読む『パリの家』─マントルピースとは何か─
久守 和子
第19章 ボウエンと映像
スクリーンに舞う亡霊たち─「死せるメイベル」と「恋人は悪魔」─
清水 純子